雨が見ていた~Painful love~



水をかく音
水の弾ける音


いろんな水音を奏でながら、私に近づいてくるキョウちゃん。




近づくたびに大きくなる水の音

そして…彼の息遣い。




幼なじみだけど幼なじみじゃない

よく知ってる人なのに、まるで別人のよう。

泳いでいるキョウちゃんは誰よりもセクシーで誰よりもきれい。



引き締まった体も
熱い胸板も
美しい筋肉に覆われた手足も


水の中が一番きれいで一番セクシーに見える。





――…って…!!!

セ、セクシー!?


ゼクシィじゃなくセクシー!!?




私…
キョウちゃん相手にセクシーって思ったの!!?





自分の中に初めて芽生えた“欲情”と言う感情に戸惑いながら、熱く熱を持つ頬を両手で押さえていると




「……美織…??」




まるであの日のレースの様に
ゴール直前でキョウちゃんは立ち上がって、信じられないとでも言いたげに私を見つめる。




キャップを脱いで
ゴーグルを強引にはぎ取ると


「…何しに来たんだ?オマエ…。」


ブスッとした顔のまま
キョウちゃんは私に尋ねる。




「あ、あの……心配で…。」

「…は??」

「ほら。
家に帰ってもキョウちゃんはいなかったから、心配で探しに来たの…。」