「え……??」
キョウちゃんの声があまりにも怖くって、オドオドしながら聞き返すと、キョウちゃんはゆっくりこちらに振り返ってベッドの際にドシリと座り直す。
暗い室内に響く雨音
そして、時おり光る稲光
呆気に取られたまま
大切な幼なじみに
恐怖にも似た感情を抱きながら、彼を見つめていると
「Sexのやり方??それを俺に聞いてどうする気なんだよ。」
彼は見たこともないくらい冷たい目をして、嘲(アザケ)るようにクスクス笑う。
「あ……の……」
見たこともない
聞いたこともない
彼の表情
彼の声色に恐怖を覚えて
「わ、私、帰る!!!」
慌てて立ち上がって部屋を出ようとすると
大きくてガッシリした手が私の腕をギュッと掴む。
「バーカ。
なんで逃げんだよ。」
「……え??」
「オマエ、sexがしたくてココに来たんじゃねーの??」
キョウちゃんは獣のような鋭い瞳を向けたまま、私にそう問いかける。
獲物を狙う、獣の目
可愛い幼なじみの見せたオスの表情に
私は嫌悪感にも似た恐怖を感じる。
――気持ち悪い
男の顔をしたキョウちゃんに感じた感情はこれだった。
怖いよりも
戸惑いよりも
彼の見せたオスの表情に私はひどい嫌悪感を覚えた。


