その言葉
その視線
優しくて、温かい、パパの応援を噛みしめながら
「うん。
私…行ってくるね!!」
私はキーを持ったまま、リビングを飛び出して、玄関の外に出た。
寒い寒い、冬の夜
さっきまで晴れていて、空の奥に見えていた三日月はいつの間にか雲に覆われて、その姿を隠している。
黒い黒い雲に覆われる空を見ながら、私は車を走らせる。
今日は朝からいろんなことがあったなぁ…。
綾音とお茶してたら
理子ちゃんが乱入してきて
自分の中に隠れていた
ずっと気づかないフリをしてた感情と向き合うハメになって。
意を決してキョウちゃんに向き合おうと思ったら、ヤツは留守。
どうしようか困ってたらパパから電話がかかって、急にお仕事。
で、最後の最後は……
キョウちゃんをお迎えに行くなんて。
まるでキョウちゃんに始まり
キョウちゃんに終わるような、キョウちゃん漬けの一日。
だけど…ね??
そんな一日を経て
大切な幼なじみだった彼が、私の中で少しずつ変わっていく。
幼なじみだったカレが
いつのまにか私の中で特別な男の人になって
尊敬する唯一無二のアスリートになって
そして最後には
やっぱり放っておけない弟にすり変わって
ハラハラさせたりドキドキさせられたり
私の心を少しずつ追い詰めて、私の心を浸食してくる。


