そう…だよね。
これ以上ここにいて、変に心配してよくわからない時間を過ごすより家に帰ってゆっくりしたほうがきっと落ち着く。
体調が悪いと人は思考能力も低下するし冷静な判断を下せなくなる。
ココは…パパの言うとおりなのかも。
そう思った私は
「了解しました、桐谷社長。仰せに従います。」
おどけた声でそう答えて、軽く敬礼をすると
「ありがとうございます、お姫様。忠告を聞いてくださって感謝いたします。」
パパは敬礼した私の手を優しく取って、優雅に優しく私の手の甲にキスをした。
――フフッ。パパってばキザだなぁ。
相変わらず優雅でジェントルマンなパパの立ち振る舞いにニヤニヤしながら、私たち親子は事務所を後にする。
パパの愛車の助手席に飛び乗って、ふかふかのシートに包まれながら私は窓の外に流れる景色をただ見つめていた。
明日が会見ってことは…
あんまりキョウちゃんを挑発しない方がいいのかなぁ……。
理子ちゃんと綾音には、あんなに勢いよく啖呵を切ったけど、この状況じゃぁ向き合うことなんてムリだよねぇ……。


