一連のFAX作業が終わって
明日の段取りの確認をしていると、あっという間に時間は過ぎて、気づけば時計は夜の10時を指していた。
「…はぁ、もうこんな時間か……。」
「作業してると、結構あっという間だね。」
疲れた表情を見せるパパにニッコリとほほ笑むと
「ま、後の騒動は神のみぞ知る展開だな。やることはやったし、準備も今のところはバッチリだ。今日はこれくくらいにして帰るかな。」
そう言ってパパはスーツのポケットの中から愛車のBMWのカギを取り出す。
「え、いいの??」
半分『徹夜作業かなぁ』と思っていた私は、パパのその発言に一瞬ギョッとする。
――だって…嵐の前だよ??
こんな日に呑気に帰っていいのかな……。
そんな私の心配を読み取ったのか
「会見の準備は今のところは準備万端、いつでも来いだろ??
やることやった後、俺たちがやるべきことはしっかり体調を整えることだ。」
そう言って
パパは私の肩をポンッと叩く。
「明日会見を予定してるホテルのセッティングは指定済み。段取りは響弥にも説明済みで、資料に漏れもない。こうなったら…後やることはカラダをゆっくり休めて明日に備えることだけだ。」
「パパ……。」
「大丈夫、美織。
こういうことはドーンと構えてた方がうまくいく。信じてやろう。藤堂響弥っていう、バカで単純で恐ろしく強いアスリートを…さ??」


