雨が見ていた~Painful love~



水泳の雑誌に鉄アレイに
大量のメダルとトロフィーの飾られた、キョウちゃんの部屋。



机の上に無造作に置かれた表彰状には“全国大会優勝”の文字がズラリと並んでいる。


――ひゃ~……。


わかってはいたけど、やっぱりキョウちゃんってスゴいんだなぁ。




キョウちゃんのお父さんも水泳やってたって言ってたから、泳ぐのが速いのは遺伝なのかな……。




そんなことを思いながら、部屋のなかをキョロキョロしていると


「……つーか、座れば??」


「え……?」


驚いてキョウちゃんの顔をバッと見ると


「なんか話したいことあるから、うちに来たんだろ??ウダウダせずに、そこに座ってさっさと話せ。」


そう言って、ベッドのすぐお隣の床を指差す。






言い方は乱暴だけど、言われてみればその通りかも。


そう思った私は


「じゃ、遠慮なくお邪魔しまーす。」


そこにちょこんと座り込んだ。