雨が見ていた~Painful love~



昔ならいざ知らず
レイプされて
再会してからは、生ける悪魔のごとくひどい言葉でなじられ、ひどい行動で私を苦しめ続けてきた、キョウちゃん。



大嫌い!!

もう関わりになりたくない!!



そう思ったことも事実で、永遠にサヨナラしたいと思ったことも事実だけれど……




『今度の選手権で…
俺が無様な負け方したら、オマエ…俺のこと見損なうか??』



あの日、薄暗いロッカールームで少し自信なさげに、すがるような瞳で問いかけたキョウちゃん。


そんなカレを応援したいと、抱きしめたいと思ったこともまぎれもない真実。


そして…彼からのキスをイヤじゃない、と思ってしまったのも真実だった。



最後の最後で許してしまう。
最後の最後で憎み切れない、大切な幼なじみ。




あの頃とは違う、今のキョウちゃん


少年らしい、青臭いカレじゃなく
すこしだけ大人になったキョウちゃん


普通の状態の私なら、大否定したであろう理子ちゃんの問いかけ。


だけど理性よりも感情が最優先していたあの時の私は、やっぱり誰より強かった。





「よ、よくわかんないけど、遠くに行っちゃうのはイヤだ!」



「はぁ??
なによ、それ。」



「前ほど近くにはいなくてもいいけど、キョウちゃんが遠くに行っちゃうのはイヤだ!ずーーっと一緒じゃなくてもいいけど…キョウちゃんと離れちゃうのは、なんかイヤだ!!」





動物的な本能をむき出しにして
いつもの自分なら絶対に言わない言葉を口にすると




「……そこまでわかってて、なんで“幼なじみ”にこだわるのよ……。」




呆れたように綾音がつぶやく。




「…え??」




争いの中に生まれた静かな言葉に驚いて、思わず耳を傾けると



「ずっと自分の傍にいて欲しい。
遠くにいってほしくない。
美織は響弥くんにそれを求めているんでしょう?今も昔も。」



綾音は静かな目をして
そう私に問いかける。