――え??
驚いて顔を上げると
そこにあったのはふんわりと笑う、優しい優しい綾音の笑顔。
「自分勝手に一人で頑張ってらっしゃい。」
「あや…ね…。」
「何、その顔。
悪いけどね?応援なんて絶対にしてやらないんですからね??
弱虫で優柔不断で、天然無自覚鈍感女なライバルのアンタの背中なんて…絶対に押してなんてやらないんだから。」
そう言って
私のつま先をツンツンし続ける綾音の顔を見ると泣けてきて。
その笑顔に自分でも驚くぐらいに緊張が緩んで
緊張と同じく涙腺が緩んで
大好きで優しい親友の大きな愛に、泣けてきて
おバカでどうしようもなくコドモな私の瞳は、流れだそうとする熱くて大きな涙の粒をどうしても抑えることができなかった。
「う、うううう~~~っ!!」
年甲斐もなく嗚咽を上げながら、滝のように流れる涙を必死に右手で拭っていると
「バカ。なんでアンタが泣くのよ、美織。
泣きたいのはこっちなんだからねっ!」
大好きな親友はメッと小さな子どもを叱るような顔をして、今度は私の頭をペシペシと何度も叩く。


