――あ、綾音まで!!?
唯一の味方だと思ってた綾音までもが理子ちゃんの味方に回って四面楚歌状態の私。
呆然としながら綾音のほうをゆっくりと振り返ると
「……美織には散々イヤな思いさせられたんだからね??これくらいのイヤミ…許してよ。」
そう言って
傷ついたように綾音がほほ笑む。
「あ、やね……。」
その笑顔に胸の奥が締め付けられるように苦しくなる、私。
そう…だよね?
キョウちゃんと向き合うなんて簡単に決意したけど、それは綾音を傷つける行為の何物でもなくて…。
自分勝手で思いやりのない感情だった…よね。
自分の鈍感さに落ち込みながらシュンとしていると
「この際だからハッキリ言うけど、私はまだ響弥くんのコトが好きなの。見苦しいオンナになりたくなくて、物わかりのいいオンナのふりしてカッコつけてサヨナラしたけどさ??
今でも彼のコト忘れられないし…今でも愛しいと思う。」
切なそうな
淋しそうな
そんな憂いを湛えた瞳をして、綾音はほうじ茶の入った湯呑をいじりながら、小さな声でそうつぶやく。
その耐えたような、絞り出したような心の叫びを聞いて、私の胸の奥がギュウギュウと押しつぶされるように重くなる。
「ごめん…なさい…。」
その言葉を聞いて
ただ俯くことしかできなくて
『ごめん』だなんて
そんなありふれた言葉しか口にはできなくて、テーブルの下でギュっと両手を握りしめながら、その苦しみに耐えていると
「だから…頑張れなんて言ってやらないからね?美織。」
そう言って
綾音は私の足のつま先を自分のヒールでコツンとつつく。


