――ば、ばか!?
優しい優しい綾音の口から漏れた一言に絶句しながら、カラダを固まらせていると
「響弥くんが美織を好きな時点で…もう幼なじみなんかじゃないでしょう??」
涙を浮かべた瞳のままニッコリと笑いながら、綾音は私に問いかける。
「え??え??」
そう言えばあの雨の夜にも
『俺はオマエを幼なじみだなんて思ったことねぇ』
ってキョウちゃんには言われたけど、それってもしかして……!!?
あの時は
“オマエなんて嫌いだ”
っていう意味で捉えてたけど、アレってもしかして…
“俺はオマエを幼なじみじゃなく特別なオンナとして見てたんだぞ?”っていう意味だった??
もしかして幼なじみじゃなく、特別な女の子としてずっと見てきたんだよ、っていう半ば告白めいた意味だったの……かな……!!?
『俺は……美織のこと一度たりとも“幼なじみ”だなんて思ったことねぇよ。』
あの雨の日に
行為が終わった後に吐き出した、キョウちゃんのあの暴言。
ずっと嫌われてるんだと思ってた。
キョウちゃんは私が彼のことを想うほど、私のことを大切に想ってくれてない。そう…思っていたのに…
す、好き??
あの俺様男が
極悪非道な男が
悪魔なあの幼なじみが
キョウちゃんが私のコトを…スキ…??
許せない。キョウちゃんなんて大っ嫌い!そう思っていたくせに…
私の気持ちとは裏腹に、私の呑気な心臓はドクドクと音を上げて高鳴って、体中の温度が上がり、顔中が熱くなる。
ーーな、なんで??!!
ドンドン熱を持つ顔を両手でバッと押さえると
「…鈍感もここまでいったら病気よね。」
理子ちゃんは呆れたようにクスクス笑う。
「アンタと響弥は幼なじみじゃなく、ただの男と女。それは今に始まったことじゃなく、アイツがアンタを強烈に意識した時からもうあんた達二人は男と女なのよ。」
「理子ちゃん…」
「あのね。あたしはアンタが響弥を男として見れないならそれはそれでいいのよ。」


