その笑顔を見て、私までが切なくなった。
鈍感だけど
鈍感って言われる私だけど、なんとなくわかる。
綾音は…きっと好きだ。
きっとまだ、キョウちゃんのコトが好きなんだ。
かわいくて
優しくて
私の自慢の友達の綾音。
彼女の笑顔を見て私は自分にガッカリする。
――親友…失格だ。
綾音が別れたことも
傷ついていることも知らずに
私は日本選手権の観戦のお誘いをしたり
あまつさえ元カレの姉を遭遇させようとしたりして…
無神経にも程がある。
「ご、ごめんね綾音。
じゃぁ理子ちゃんには断りの電話をするから…っ!!」
コートに入れた携帯を取り出そうとすると
「やっほーう!美織~!
お・ま・た・せ~~!!」
「う、うぎゃっ!!
理子ちゃんっ!!」
悪魔の申し子の姉、藤堂理子はニコニコ笑いながら、こちらに足を進めてきた。
ベージュの品のいいダッフルコートにふわふわ甘々なパステルカラーの洋服に身を包んだ、理子ちゃん。
茶色いセミロングの巻髪にくりくりの大きなお目目。
さらに少し小さめの身長は、モテ要素満載。
だけど…
この外見に騙されるなかれ!!
このフワフワ女子の中身は……
「まーったく!
アンタがなかなかクチを割らないから準備が遅れたでしょーが!!」
「ご、ごめん…。」
「チッ。
ごめんで済んだら警察はいらないの。
全く…グズなんだからっ!!」
キョウちゃんもびっくりの超肉食女子なのだ!!!


