――よかったぁ。
自分が案内したお店を褒めてくれると、なんだかうれしい。
ニンマリしながらメニューを選んでいると
「あ、そうそう。」
「なぁに?」
「美織さっき“あとから一人くる”って言ったでしょ??それって…誰??」
綾音は不思議そうにそう尋ねる。
あ!イケナイ!!
伝えるの忘れてた!!
「藤堂理子ちゃんって言ってね??
キョウちゃん…いや、藤堂さんのお姉ちゃんなの。」
「……え……??」
「ほ、ほら。
藤堂さんから聞いて知ってると思うけど、今、あの人ウチに居候してるでしょう??だから、日用品とかを持ってきてもらう約束をしててね……??」
綾音にはキョウちゃんと幼なじみだってことは言っていない。しどろもどろになりながら、そう伝えると
「へーぇ。
響弥くん、今、美織の家にいるんだー。」
綾音はキョトンとした顔のまんま、こんな不思議な一言を口にする。
――え…??
綾音はキョウちゃんのカノジョ…だよね??
キョウちゃんがウチにいるのは当然知ってると思ったんだけど…。
不思議に思いながら
「うん。そうだよ??
あの騒ぎから逃げるためにウチに匿ってるの。
藤堂さんから…聞いてない…??」
オロオロしながら綾音に尋ねると、綾音は店員さんが持ってきてくれたお冷を喉に流し込んで、私に冷たくこう言い放った。
「知らないわ。
元カレと連絡取り合う趣味はないから。」


