雨が見ていた~Painful love~




相変わらず、ママはマイペースだな。



フフッと笑いながら
私は携帯の通話を切ってカバンの中に入れる。



――あ…

カバンもカバンの中もビチョビチョだ…。



さっきは気づかなかったけど、中身まで雨がしみこんでグチョグチョになっている。



しょうがない…
タオル借りて中身拭いちゃお。




そう思ってバスルームに向かおうとすると


「美織…??」


「う、うぎゃっ!
キョウちゃん!!?」


リビングの扉がゆっくりと開いて
キョウちゃんが顔を出す。



――まずい!
いくら幼なじみでも今の格好はまずいでしょう~!!



そう思った私は


「ま、回れ右!!
キョウちゃん、回れ右ーーーっ!!」


そう言って
私はリビングの外をバシッと指差す。



「わ、私、今ノーパンノーブラなの!!!
頼むからそれ以上こっちに来ないで~~~!!!!!」



その場にしゃがみこんで
カラダを丸めて
必死に向こうを指差すと


「あ、あ、あ、アホか~~~~っ!!
ノーパンノーブラで人様のリビングに足を踏み込むんじゃねーよーーーーっ!!」


キョウちゃんは見たことないくらい真っ赤な顔をして、逃げるように自室へと走っていった。