「うん。久しぶりに綾音とデート。」


ルンルンな気分でそう答えると


「…へーぇ。」


キョウちゃんは少し暗い顔して、そう答える。





――さみしい…のかな…??





考えればこの一週間、一歩も家からは出られず、当然のことながら綾音にも会えずに、健康的な禁欲生活してるんだもんね…??



そう思うとちょっと可哀そうかも…。




「ごめんね。」


「はぁ?何が。」


「いや、だって、キョウちゃんがこんな時にウキウキしちゃって……。」




コテを少し下におろしながら、申し訳なさそうにそうつぶやくと




「バーーーカ。」


「い、いたっ!!」



キョウちゃんはちょっぴりムスッとした顔をして、私のおでこをピンっと弾く。





――な、なんで!?





意味が分からなくて、涙目になりながらジトッとした目でキョウちゃんを睨むと




「この事態は俺の行動が招いた結果だろ?自業自得なんだから美織は気にすんな。」



キョウちゃんは私の巻き終わった髪を少しだけ手に取る。




――え…??



そして戸惑う私をよそにキョウちゃんは髪を優しく指先で撫でながら



「俺は…後悔してねぇ。
これでいいんだ。これで…な。」



不思議な言葉を呟いた。