好感度を上げる吉良光太郎に
悪名を轟かせる、キョウちゃん。



そんな悪循環が続いた
3日目の午後



METSERA人事部の方から、キョウちゃんの内定取り消しを告げる電話が入りキョウちゃんの就職は全くの白紙となった。




そしてその一時間後。
日本水泳連盟は藤堂響弥選手の公式試合への参加を“無期限で禁止する”という極めて厳しい処分を発表した。



理由はスポーツマンシップに大きく反する行動を取り、競泳界全体に悪影響を与え、社会に大きな混乱をもたらしたから……だそうだ。



その電話を受け取った時も



「ま…当たり前の対応だわな。」


「そんなこと…!!」


「オオアリだよ。
俺は水泳連盟に泥を塗ったも同然なんだからよ。」



キョウちゃんはただただ冷静にその処分を受け入れた。




内定取り消しに
公式試合への無期限での参加禁止処分




その期限はいつまでなのか
早く解かれるのか、遅く解かれるのか
それとも永遠に解かれないのかは、全く持ってわからない。




内定の取り消しはともかく、水泳連盟の処分を受けて一番大切なキョウちゃんの選手生命の行方さえもが危うくなってしまった。






「俺は後悔してねぇ。
絶対に。絶対に後悔してねぇ……。」




自分を納得させるように
諦めさせるように、慰めるように
何度も何度もキョウちゃんはこの言葉を呟いた――……