雨が見ていた~Painful love~



髪をなんとかゆっくり乾かして過ぎた時間は15分


とりあえず…
化粧水とかつけてみようかな。


私は洗面台にあった基礎化粧品の山を次から次へとつけていって…、過ぎた時間は20分。



――あと10分かぁ…


キョウちゃんは部屋にいるっていってたし…
しょうがないからリビングで乾くの待ってようかな。




そう思った私は
ノーパンノーブラにキョウちゃんが貸してくれたパジャマだけを羽織って、トコトコとリビングに歩き出す。


「わ…、雨まだ降ってる…。」


リビングの大きな窓からは打ち付けるような激しい雨とカミナリの音が聞こえてくる。




「すごい雨。
帰れるのかなぁ、私……。」




窓ガラスに手を当てて、そんなコトを思案していると

♪Pico,pico,pico♪

カバンの中で携帯が鳴る




慌てて電話の通話ボタンを押すと


『あ、もしもしミーちゃん??』

「あ、ママ??」


電話の向こうからは能天気なママの声が聞こえてきた。




「どうしたの?」


『ん?雨がすごいでしょ?
だから駅まで車で迎えに行こうかと思ってたんだけど…』


「そうなの?
でも大丈夫だよ。今、キョウちゃんちにいるから。雨宿りして、しばらくしたら帰るよ。」


『あ、それなら安心ね。
もし遅くなるようなら、誰かに送ってもらえばいいからね?』


「ん、わかった。
ありがとう、ママ。」