廊下の喧騒
試合前の慌ただしい物音
バタバタと落ち着かない空間の中で
一瞬私の周りの空気だけが凍りつく。
『藤堂がああなった原因はね……??
全部全部、おねーさんのせいなんだよ??』
私が原因…??
なんで?
どうして??
意味が全く分からない……。
まるで時が止まったように
一点を見つめて
瞬き一つせず
まっすぐに前を向く私。
悪魔の一言に呆然としている状態の私を見ると、悪魔は満足そうに微笑んで、ゆっくりと体を離す。
そしてニッコリとほほ笑むと
「じゃ、藤堂によろしく~~。
おつかれさま、おねーさん☆」
吉良光太郎は予選7組の選手達と共に、プールサイドへと歩いて行った。


