な、なんで??
パジャマはわかるけど、なんでオトコモノ?!
唖然としながらそのパジャマを握りしめてると
「ホントは女物のパジャマを出したいところなんだけどな。今、姉貴も母ちゃんも留守なんだよ…。」
「……あ……。」
「わかるだろ?二人がいねぇのに勝手に部屋に入ったら俺は確実に殺される。だから、悪ィんだけど俺ので我慢して。」
バツが悪そうに、首もとをポリポリ掻きながら、キョウちゃんは私に弁明をする。
理央ちゃんママに、彼のお姉ちゃんの理子ちゃん。
二人はうちのママ曰く“地上最強の肉食系女子”
二人は気も強いし
口も達者だし
異様な行動力で時おり周囲の人を唖然とさせる。
キョウちゃんはキョウちゃんで気も強いし、ワガママだし、俺様だけど……、やっぱり二人には負けるみたいで。
二人のご機嫌を損ねないように……、っていうのは常に気を付けてるみたい。
だから、彼女達の留守中に勝手に部屋に入れないっていうことには深く深く、頷ける。
――男の子も大変だなぁ。
居心地悪そうな顔をするキョウちゃんの頬をゆっくりさわると
「了解。
パジャマ、貸してくれるだけでもありがたいから無理しなくていいよ。」
そう、微笑む。
すると、キョウちゃんは少し安心したような顔をして
「サンキュ。
じゃあ、ゆっくり入ってこいよ?
部屋で待ってっから。」
彼も柔らかな顔をして
私の頭をコツンと小突いた。


