――え……???
その言葉を聞いて体中の血が凍りつく。
やっぱり、本調子じゃないんだ!!
3日前まで酷いスランプに悩まされていたキョウちゃん。
郷田先生からは“調子は回復した”って伺ってたけど…たった2日ですべての調子が戻るわけない。
バカだ。
私、どうしてあの言葉を信じたんだろう。
準備は万全なんかじゃなかったんだ。
キョウちゃんのスタートは、大きな不安を抱えたままのスタートだったんだ……!!!
膝の上で組んでいた両手の指先が、ありえないくらい冷たくなってくる。
体全体の血という血が凍りついているのが、ありありと感じられる。
そんな、倒れそうになるくらいの緊張を感じていると
「アンタ、何にも知らないんだな。」
拓真くんは呆れたように呟いて、私の肩をポンと叩く。
その言葉に驚いて拓真くんを振り返ると
「大丈夫。
コレは響弥にとっては当たり前のことだから。」
何事もなかったかのように
シレッとした顔をして、拓真くんはポツリと呟く。
「あ、当たり前のこと!?」
その言葉に驚いたのは私だけではない。
隣にいた喜多川君までもが
「ソレはどういうことッすか!日野さん!!」
ガバッと勢いよく後ろを振り返ると、すごい剣幕で拓真くんに食って掛かる。


