雨が見ていた~Painful love~



キョウちゃんのおうちは代官山にあるマンション


彼のお母さん(通称・理央ちゃんママ)がインテリアには相当うるさいから、キョウちゃんのおうちは、とてもお洒落だ。



「お邪魔しまーす。」


「おう。不本意だけど入れ。」



ムスッとしたままのキョウちゃんを横目にしながら彼の部屋に向かってテクテク歩いていくと



「そっちじゃなくて、こっち。」


「へ、ふぇっ?!」



突然右腕を掴まれて、私はバスルームに誘導される。



――な、なんでお風呂?!



びっくりしてお目々を真ん丸にしていると



「オマエ、臭い。」


「は、はぁっ?!」



キョウちゃんは突然
こんなひどい一言を口にする。




「オマエの体から、雨特有の生臭い匂いがする!この悪臭オンナ!!」


「え、えぇっ!?」


「こんな悪臭、部屋に持ち込まれたら吐き気がする!!さっさと風呂入って匂い消してきやがれ!!」


そう言って、キョウちゃんは私に大きなパジャマをポンと渡した。