――え、えぇ!?
どういうこと?
意味が分からなくて、そしてあまりに緊張しすぎてワタワタしていると
「ほら、アイツ見てみなよ。」
拓真くんは相変わらずの無表情のまんま、プールサイドで準備体操をしているキョウちゃんを指さす。
すると……
肩の筋を伸ばすようにストレッチをしているキョウちゃんと、何故かバッチリ視線が絡む。
――え…!?
こんなにたくさん観客席があって、どこに座るのかも伝えてないのにどうして目が合うの!?
これは偶然なのかな?
それともただの勘違いなのかな??
ドギマギしながら
なんだか信じられない気持ちで彼をずっと見つめていると
「笑って、手を振って。」
「え!?」
「いいから、笑って、手を振って。」
後ろから拓真くんが私に強引に指示をだす。
いつもとは違う強引なその語り口に戸惑いながらも、無理やり笑って手を振る。
「がんばれ!
がんばれ、キョウちゃん~!!」
フルフルと手を振っていると、キョウちゃんは一瞬ギョッとした顔をして顔をしかめる。
そしてそのままフイッと明後日の方向を向いてしまって……私に何の反応も示さなくなってしまった。


