「まぁ……
良くも悪くもメディア露出が続いて急激に知名度が上がったからな。響弥の実力なら当然と言えば当然だけど。」
若干狂喜じみたこの声援に辟易した拓真くんが、喜多川くんにそう話しかける。
――あ……。
それを聞いて少しだけ良心が痛む。
忙しい練習の合間をぬってメディア露出を勧めたのは私と社長。
キョウちゃんのプラスになると信じて勧めていたけど、キョウちゃんにとっては余計なプレッシャーを増やすだけの不安要素だったのかもしれない…。
高まる声援、高まる期待
“勝って当然”という空気の中で泳がなきゃいけないキョウちゃんのプレッシャーはどれほどのモノなんだろう。
――頑張れ…、頑張れ…。
祈るような気持ちで
呼吸することすら忘れて、一心にキョウちゃんを見つめていると
「大丈夫。」
「響弥がこんなプレッシャーに負けるはずない。」
私の肩をポンと叩いて、拓真くんはそう訴える。
「言ったろ?
アンタは信じてアイツのレースを見守ってやればいいって。そんな不安な顔してたら、アイツは一番不安になる。」


