雨が見ていた~Painful love~



拓真くんの言葉を聞いて整理をすると、こういうこと?


キョウちゃんや吉良光太郎みたいな一流選手にとって大事なのは決勝だから、体力を温存しながら泳ぐ必要がある……ってことなのかな??



うーーん。
思っていたより、競泳はいろんなことに計算を張り巡らせる競技みたいだ……。




そんなことを思いながら予選第2組のレースを見守っていると、2組の1位選手の記録は2分12秒25。



いよいよ…予選第3組
キョウちゃんの出番がやってきた。





メディア露出もしていて、知名度抜群。
前回の日本選手権の覇者・藤堂響弥の登場に期待を膨らませる観客席。




「只今より予選第三組のレースを行います。」




――頑張れ…キョウちゃん…!!




膝の上で両手を固めて
私は彼の登場を固唾をのんで見守る。




選手通路の扉がガラリと開き、選手がプールサイドへと入場する。




1人、そして2人と姿が見えるたびに観客の皆様からは熱い拍手が巻き起こるのだけれど…



「あ、キョウちゃん…!」



黒いジャージに身を包んだキョウちゃんが見えるや否や




「きゃ~~~っ!!」


「藤堂~っ!!」


「うお~っ!!!!」




会場中がさらに大きな拍手と声援に包まれる。





――す、すごっ…!!





大きな地鳴りのような声援と拍手に呆気にとられて辺りを見回していると



「さすが藤堂…。すごい人気だな。」



感心したように喜多川君がつぶやく。