雨が見ていた~Painful love~



さっきまでの元気はどこへやら


完全にヘビに睨まれたカエル状態で、ビクビク怯えまくっている私に


「とりあえず、コレでカラダ拭け。」


胸元に向かって
キョウちゃんは私に何かを投げつける。




「…へ…??」




ふかふかで柔らかい
ソレの正体はバスタオル





「んで、靴下とかブレザーとか今脱げそうなモンがあったら、このシリコンバケツん中に入れろ。母ちゃんが帰ってきたら洗って貰うから。」





そう言って、手招きした先にあるシリコンバケツの中を覗き込むと……

中には競泳用の水着とバスタオル、それに“SGスイミングスクール”と書かれたジャージが中に入っている。




――あぁ…

これってきっと、今日、練習で使った水着だ。




多分、このシリコンバケツはキョウちゃん用の洗濯物入れ




濡れた衣類って、一緒にまとめるのキライな人いるもんね。





「ありがと。じゃあ、靴下とブレザーだけ入れさせてもらおうかな。」


「おう。
あと玄関はいる前にちゃんと雫を拭き取っとけよ。」


「うん。」