だからキラの提案を突っぱねた。
響弥にとってその事件はアキレス腱でも何でもないモノだから。
スポーツバックを肩に乗っけて
「じゃあな。」
とその場を後にしようとすると
「ふーん、じゃぁ遠慮なくマスコミにリークさせてもらうよ。」
キラはニコニコしながら、響弥の背中にそう呟く。
そんなキラの言葉に辟易しながらも
「勝手にしろ。
俺はわざと負けるなんてマネは死んでもしねぇ。そんな胸クソ悪ぃレースをするくらいなら死んだほうがマシだ。」
そう言い切って一歩前に進むと
「ふ~~ん。藤堂カッコい~い♪」
キャハハハと笑いながらキラはトトトっと走り寄って、響弥の肩をポンと叩く。
そして突然ドスの利いた低い声を出すと
「でも…おねーさんはどうなってもいいの??」
響弥の耳元でそう囁く。
――美織??
なんでココで美織が出てくるんだ?
非難されるのも、矢面に立たされるのも全部俺だろ?
突然飛び出した美織の名前に驚いて、キラの顔をゆっくり振り返ると
「たぶん藤堂はそうくるだろうな~と思って、ボク、ちゃ~んと先手を打っておいたんだ~♪」
そう言って
キラは鞄の中から3枚の写真を取り出す。


