その動物的なカンはまんまと当たり、キラは響弥のアキレス腱を手に入れた。
拓真と美織が公園に入ったのを確認した後、キラは植込みの裏に隠れて二人の会話をすべて盗み聞いて録音をしていたのだ。
美織は“誰にレイプされたか”は言わなかったが
――相手は藤堂に違いない。
それはカンではなく、キラ自身の希望であったのかもしれないけれど、キラは美織をレイプした犯人を確信していた。
絶対の自信を持って突きつけた最後の切り札
こんな黒い過去、この大事な時期に世間に晒されたくないはずだ
そう…思っていたのに
「…言いたければ言えばいい。
好きにしろ。」
響弥は相変わらずまっすぐな瞳を自分に向けたまま、静かにそう答えるだけだった。
響弥はずっと覚悟してきた。
美織を手に入れるために無理やり抱いた代償はいつか支払わなければならない。
後悔なんてしていない
非難を浴びる準備はできてる
罰が怖くて怯えるくらいなら
とっくの昔に美織を諦めてる。
そんなヤワな気持ちで自分は美織に恋しているんじゃない
自分の犯した罪くらい、いつでも清算してやる。
非難も中傷も怖くない
だって俺はあの日のコトを何一つ後悔なんてしていないのだから
響弥はずっとそう思ってきた。


