口汚く罵ってもいいのに
俺を窮地に追い込んで、あの夜の仕返しをしたっていいのに、どこまでもバカな美織は誰にもこの秘密を口にする気がないらしい。
どこまでもお人よしな美織に守られるように、あの事件は闇の彼方へ消えていったハズだった。
響弥と美織だけが知る…、過去として。
なのに、どうして目の前にいるこいつが知ってるんだ??
信じられない気持ちで瞬きもせずに、キラの顔を見つめていると
「ふふ、信じられないって顔してるね~。
ってことは、クロなんだぁ。」
勝ち誇った顔をしてキラがニッコリとほほ笑む。
「誰にも言われたくないよね~。知られたくないよねぇ??今、人気で話題沸騰のスイマーが実はレイプ魔だっただなんてさ。
しかも…中学二年生にして!」
どうして…
どうしてこいつがソレを知ってるんだ!?
響弥は意味が分からなかった。
混乱しながらキラの首元を掴んでいた手をバッと乱暴に外すと
「…誰に聞いた。美織か。」
低い声でそう尋ねると
「う~ん、そうと言えばそうだし、違うと言えば違うなぁ。」
キラは乱れた衣服を戻しながら、ニヤニヤと意地悪く笑う。


