『美織をレイプした』
それは響弥自身、全く後悔していない出来事とは言え、誰も知るはずのない出来事だったはずだ。
あの雨の日の事件が起こった後
響弥は多少の覚悟をして毎日を過ごしていた。
美織が誰かにあの出来事を話した時、自分は想像もできない地獄を味わうはずだからだ。
アイツの両親・兄弟
それに自分の親に、人一倍口うるさい姉
美織があの日のコトを口に出した瞬間、自分の身に訪れる地獄絵図。
それらに恐怖しながら傾向と対策を考えて、いつでも闘う準備をして待ち構えていた1週間が過ぎ2週間が過ぎ、3週間がすぎても、何も変わらない日々が続いていく。
アイツの家族からも何の音沙汰もない。
そしてもちろん…拓真からも。
1か月過ぎても
2か月が過ぎても、変わらない日常
そしてそれは半月が過ぎても1年が過ぎても、何も何も変わらなかった。
――お人よしめ。
どこまでも純真無垢でドン感で善意の塊みたいな愛しくて憎い、あの幼なじみはあの事件を誰にも言うつもりがないらしい。


