雨が見ていた~Painful love~




ハァ~と心の中で大きなため息を吐きながら、


「なんだよ、キラ。」


嫌々、そう答えると


「ふふ。ちょっと取引しようと思ってさ?」


響弥とは正反対にキラは嬉しそうにニコニコしながら、響弥の肩にポンと手を置く。





――は??取引??





意味が分からず眉をしかめると



「今度の2月の日本選手権。
アレ、予選で負けてくれな~い??」



キラは天使のように微笑みながら、ありえないことを言い始める。





2月に行われる日本選手権は世界水泳での選手選考を兼ねた大切な試合だ。



平泳ぎ100Mと200Mでエントリーする予定の響弥の去年の成績は100M・200M共に優勝。
世界水泳では200Mで4位に入賞をしている。



今年こそ世界選手権ではメダル圏内に入ってやる!と意気込んで練習を重ねていたというのに…、どうして予選なんかで負けなきゃいけない??



「ふざけんじゃねーよ!
なんでこの俺様が予選なんかで負けなきゃなんねーんだよ!!」



響弥はキラの申し出に激しい怒りを感じずにはいられなかった。




キラの手を無理やり振りほどき


「言いたいことはそれだけか。
オマエには心底ガッカリしたわ!!」


わけのわからない取引を持ち出したキラをギロリと睨む。