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そしてそれと同じ時刻
練習を終えた響弥が大学の校門を出ようとすると
「待ってたよ~、藤堂クン。」
茶色い髪にワンコな外見
軽い口調のニコニコ男・吉良光太郎が響弥に声をかけた。
――ハァ…マジでうぜぇ。
10年近くも同じ種目、同じフィールドで争い続けてきた響弥とキラ
仲が悪いわけじゃないけれど、仲がいいわけでもない。
『コイツとだけは絶対に馴れ合いたくない』
お互いがそう思う存在。
お互いの心に潜む強いライバル心
コイツにだけは負けたくないと思うのはキラだけではない。響弥だって、そうなのだ。
負けたくない、コイツにだけは。
俺より速く泳ぐことは許さない。
コイツへの激しい競争心が俺を奮い立たせる。
だから…
プライベートでは響弥はキラに会いたくないと思っているのだ。
会えば精神的に張りつめてしまって、とても疲れてしまうから。


