ガタガタと恐怖で震える体に、水を吸った衣類のせいでどんどん体温が下がっていく。




恐怖と寒さで青ざめて。バスタオルを握りしめて小さくなっている私の背中を


「大丈夫ですか、桐谷さん!!」


郷田先生はごしごしと力強くさすってくれる。





「う……フウッ……。
ハァッ、ハァッ…!!」



落ち着こうと思っているのに不安で心が押しつぶされてしまいそうで、吸おうと思っても空気が上手く吸いきれない。





浅い呼吸しかできなくて
苦しくて苦しくて
視界がどんどん遠ざかる。





――苦しい、苦しいよ…!!


息ができない!!





「ハァッ、ハァッ…!!!」


「桐谷さん、ゆっくり息を吸って!!」




ゆっくり??
ゆっくりってどうすればいいの??



わかんない、わかんないよ!!




戸惑っている間にも苦しくて、体中から力が抜ける





息ができない!!

苦しくて、苦しくて、もうこのまま死んじゃうかもしれない。






腕から力が抜けていく。
苦しくてもう、カラダを支えていられない。





「ハァッ、ハァッ…!!」




もう自分は死ぬんだ


そう思った時




「いかん!!過呼吸を起こしている!!
誰か!!紙袋を持ってこい!!」





遠くで郷田先生の悲痛な叫び声が聞こえて、





「は、はいっ!」


「医務室に連絡しろ!!先生を呼んで来い!!」



誰かが私の口に紙袋をそうっと当てる。