睨みつけるキョウちゃんに
戸惑う私
“そんなことない!”
そう言いたいけれど、その言葉に真っ向から反論できない自分に、歯がゆくなる。
逃げたかった
関わりたくなかった
最低限の付き合いでいたかった
できることなら、もう会いたくないとさえ思っていたキョウちゃん。
正直、どうでもいいと思ってた。
仕事だけの付き合いで
今だけを乗り切ればいいと、そう思ってた。
真剣にキョウちゃんの将来を考えていたかと問われたら、答えはNOだ。
“キョウちゃん”としての彼の将来を考えれば、それでよかったのかもしれない。
だけど藤堂響弥というアスリートの将来を考えたときには、私の仕事は中途半端で誠意のないものだったと言わざるを得ない。
だって……
私は間違いなく逃げてた。
仕事よりも何よりも
自分がつらくて。
キョウちゃんのコトを考えるだけで苦しくて
これ以上傷つきたくないから、深入りしたくない。
そう思って……
私は彼から逃げていた。
キョウちゃんが言うとおり
適当な仕事をしていたのは私。
パパの言いなりになって
考えることはおろか、意見さえしなかった、私。
それが私にできる精一杯のビジネスだと思っていたけれど
でも……
それはキョウちゃんにとってみたら、誠意のない態度だったに違いない。


