雨が見ていた~Painful love~



プールサイドでお祭り騒ぎの学生たちに、満足げにほほ笑む郷田先生。



そして……


「フゥ……。」


水の上で仰向けになったまま気持ちよさそうに瞳を閉じる、キョウちゃん。






ゴーグルもスイムキャップも脱ぎ捨ててプールの上でぷかぷか浮いてるキョウちゃんは、本当に満足そうにほほ笑んでいて。



変だけど。すごく変なんだけど“あぁ、この人の生きる場所はココなんだなぁ”と今更ながらに思った。



陸よりも水の中が似合うキョウちゃん。言葉ではなく水の中ですべてを語る、キョウちゃん。




まるで人魚姫のように陸(おか)よりも水の中にいるコトが何より自然で、彼は水の中がよく似合う。





――すごいな……





素直に感嘆の思いを感じながらキョウちゃんを見つめていると、フッと彼の視線がこちらへと流れ込む。







何を感じているのか
何を思っているのか


カレの瞳からは何もわからなかったけれど……私と目が合っているのを確認するとキョウちゃんは身をひるがえして水の中に体を沈め、プールサイドまで泳いできた。





「よっ…と。」


小さな掛け声をかけて水から上がると、髪や体から雫を垂らしながら、彼は私にゆっくりと近づいてくる。