「…え??」
「……なんか…キツそうだったから。
どっか二人っきりになれるとこ行こう。」
相変わらずのポーカーフェイスのまんま、拓真くんは手をぐいぐいと引っ張って私をSGスイミングスクールから遠ざける。
涙でぐちゃぐちゃになっている私は道行く皆様からおかしな目で見られている。
私たちを見つけた瞬間、道行くオバチャン達は何事かとコソコソ話をしだす。
――う、うぅ……
当然っちゃぁ当然なんだけど、泣いてる女に引っ張るオトコの図って……やっぱりワケありに見えるもんね……。
なんだかいたたまれない気持ちになりながら、なされるがままに腕を引っ張られていると、着いたところは小さな公園。
「ここでなら…ゆっくり話せるだろ。」
そう言って
拓真くんは私の手を握ったまんま、ベンチに腰を下ろす。
そして私の目をまっすぐに見据えると
「……教えてくれ。
俺、なんで突然アンタに嫌われたんだ?」
核心をつく質問を
彼は私に投げかけた。


