1階に下りるとすっかりあたりは暗くなっていて、さっきまでのやんちゃな子どもたちではなく、学校終わりの中高生の姿がちらほらと見えてくる。




スポーツバックを背負って、けだるそうに歩く男の子


キャハハと軽やかな笑い声を上げながら、楽しそうにお友達と歩く女子中学生



そして……
ロビーのソファーに座って誰かを待ってる女の子





私、拓真くん、キョウちゃん




あの頃と同じような
昔の3人のカケラが見え隠れする、このロビーで拓真くんを待っていると


「悪い、遅くなった。」


ジーンズに黒いダウンジャケットを羽織った拓真くんが目の前に現れた。





――う…わ……っ!





まるで10年前に戻ったかのようなその言葉に、私の心がキュンとときめく。




まずい、まずいよ、この状況~~!!







予想以上に変わっていない拓真くんの言動に戸惑っていると



「??どした?」


「え、えぇ!?な、なにが!?」


「いや……
一人で百面相してるから、どうしたのかなーと思って。」


「え、えぇっ!?」


拓真くんは不思議そうにこんな言葉を口にする。