やり口は汚いし、強引だけど……
吉良光太郎っていうアスリートの将来を考えてのことなら仕方ないかなぁ。




ハァとため息を吐きながら
自分の中の黒い感情を押し殺そうと頑張っていると




「じゃ、俺急ぐから。
またな、美織。」


「あ、俺も練習に戻る~~。」





筋肉バカ二人はにこにこしながら
颯爽とソファーから立ち上がって、この部屋を後にしようとする。




――ちょ、ちょっと!!



勝手な男二人を目の前に
目を真ん丸にしながら、困っていると



「じゃ、ありがとな~!美織。」


「おねーさん、今度はアンタの事務所でね♪」



何食わぬ顔をしながらオーナー室の扉を開けて、さわやかにキラキラ光る笑顔を残しながら、二人はオーナー室から出て行った。




そして後に残されたのは……



まんまとワナにハマって
筋肉バカの要請にノコノコと登場し



まんまと二人の要求を受けてしまった、バカ女一人。





ふかふかのソファーに腰を掛けながら
私は一人思う。





――か、勝手にもほどがあるでしょ!





確かに言いたいことはわかるけど…


言いたいだけ言って
ハイ、サヨナラって大の大人がすることなのーーー!!?