雨が見ていた~Painful love~



山のような資料が収まっている大きな本棚に、大きなデスク



そのデスクの前には応接セットが待ち構えていて、龍おじさんは“どっこらせー”と言いながらドッカリとソファーに座る。




「美織、キラ、座れ。」




そう言われるがまま
私はオジサンの正面へ


吉良光太郎は
オジサンの隣に座る。





そしてハァ…とため息を吐くと



「美織、さっきの話だけどな。」



オジサンは苦しそうにゆっくりと言葉を吐き出す。






そんな龍おじさんの言葉にコクンと頷くと


「正直言って俺もキラも響弥の存在は気になる。
何年も何年もライバル関係にある二人だからな。水と油が一緒になるみたいなことは、本当はさせたくない。」


オジサンは私が危惧していた通りの言葉を口にする。





「じゃぁ…!」

吉良光太郎には違う事務所を探せばいいじゃない。




そう…言おうと思った時。





「だけど……キラには選ぶ余裕も時間も、何もない。」


「……え……??」






オジサンは厳しい目をして、きっぱりと言い放つ。







時間も余裕もない??

いったいどういうことなの…??