その言葉の真意を確かめるように、龍おじさんを振り返ると
「響弥とキラは22歳で同い年。2人とも平泳ぎの選手で競泳連盟の強化選手だし、世界水泳でも入賞経験もある。次のオリンピックでは2人とも選手候補でもあるんだぞ??」
龍おじさんは信じられない言葉を次々と口にする。
キョウちゃんとこの人が…オリンピック選手候補!?
オリンピックってあのオリンピック!!?近所にある“スーパー・オリンピック”じゃなく、あの五輪マークで世界中の皆様が大注目する、4年に一度のスポーツの祭典“オリンピック”なの!!?
スケールが大きすぎて
よく意味がわかんなくて
『そういえばこち亀の日暮さん!
4年に一度オリンピックのある年にだけ登場するんだよな~。』
とか、ワケわかんないことを考え始めていると
「っていうか、藤堂の世話してるくせに知らなかったの??ねぇ…もしかしておねーさんって“仕事のできないオンナ”ってヤツ~??」
吉良光太郎は相も変わらずムカツク一言を口にする。
――こ、こいつぅ!!!
とりあえずギロッと睨んでみたものの、リサーチ不足は否めない事実……。
とりあえず日暮さんのことは頭の隅から追い出して、
「……ごめんなさい。
知りませんでした……。」
素直に吉良光太郎に謝ると彼はハトが豆鉄砲を食らったような顔をして、私を見つめた。


