ムゥー!としながら、吉良光太郎を睨み付けていると
「ま、いいや。
俺が紹介する前に絡んでてくれたんなら話は早い。」
龍おじさんはにっこりと微笑んで、吉良光太郎の肩にドッカリと腕を置く。
そして何の悪びれもなくこう言ったんだ。
「お前の事務所に預けたいのは……コイツだ。」
その言葉に
「え、えぇぇぇぇぇーーーーーっ!!!!??」
私が今まで上げたことのない大声を上げてしまったのは言うまでもない。
コイツが!?
キョウちゃんだけでもいっぱいいっぱいなのに、こんなワケわかんないのまでウチで預からなきゃいけないの!?
頭の中は完全パニック!!
頭の中が真っ白になりながら、ワタワタと落ち着きなく手足を動かしていると
「響弥とキラはライバル同士だ。」
「…え……??」
「二人はあらゆる国内大会で毎回1位と2位を争ってる。」
拓真くんが私の肩にポンと手を置くと、いつものクールフェイスのまんま、ポツリとつぶやく。
――え……??
二人がライバル……??


