雨が見ていた~Painful love~



愛のないSEXなんて暴力と同義語だよ!奴隷みたいに抱かれて幸せを感じる女の人なんて、この世界中のどこにもいない。




ジリジリと攻めるような熱い目で吉良光太郎を睨んでいると


「あっれ~?美織??」

「りゅ、龍おじさん!?」

「そーんなとこで怖い顔してどーしたんだ??」



廊下の奥から黒いスーツに身を包んだ龍おじさんが、私に声をかける。




「オーナー…。」


「よっ!拓真もキラもおそろいでどうしたんだ~?」




子どもたちの群れをかき分けて。お母さま方達の熱い視線を受けて登場したのは、ちょい悪オヤジ・早坂龍。




私と吉良幸太郎の間に流れる不穏な空気を知ってか知らずか、のほほんとした足取りで私の肩をポンと叩く。




「どーした?美織。
キラと拓真にイジメられたか??」



「…拓真くんにはイジメられてなんてないわ。この人が失礼なこと言うから、反論してたのよ。」




まるで男子の告げ口をする小学生女子のように、ムスッとしながら吉良幸太郎の罪を訴えると



「俺は事実を述べただけだけどね〜。だ・け・ど。そんな過剰な反応するってことはおねーさん、やっぱり処女だね。」



吉良幸太郎は悪びれもせずに、こんな一言を口にする。





――コイツ…、言わせておけば…!!!





ムカムカした私が、もう一度手を振り上げると




「…ストップ。」


「…え?!」


「コイツ…アンタの反応見て楽しんでるだけだから、放っておけばいい。」



冷静な顔した拓真くんが、私の腕をギュウッと握る。