面倒くさそうに相手をする拓真くんに、相手にされて喜んでるカレ。
なんだか不思議な図を遠巻きに見ていると
「ごめんな、桐谷さん。
コイツはうちの選手で吉良光太郎。
響弥と同じ、平泳ぎの選手なんだ。」
申し訳なさそうに、拓真くんがそうつぶやく。
――吉良光太郎(キラ コウタロウ)……。
初めて知った、カレのフルネームに“へぇ~”と意味のない感動を味わっていると
「おねーさん、早坂オーナーに呼ばれてここに来たんだろ??」
吉良幸太郎はフフンと笑いながら、意地悪な目を私に向ける。
思いもよらないところで飛び出した龍おじさんの名前に体がビクッと反応すると
「なんでオマエが知ってんだって言いたげだね。」
クスクス笑いながら、馬鹿にしたように彼は笑う。
その冷ややかな視線。人を小ばかにしたような口調にイラついて
「別に?
そんなコト知りたくないわ。
あなたには関係のないことでしょう??」
こっちもキッパリ言い切ってやると
「ふーーん。
中身はどMのくせに、気は強いんだぁ。イイね、そういうオンナ。」
「は、はぁ!?」
彼はゆっくりと私に歩み寄って、私の頬にそっと手を置く。
置いた手の親指で私の唇をツゥとなぞると
「いいなぁ、おねーさん。こういう気の強いオンナって俺、好みなんだよねぇ。」
うっとりした顔で彼はつぶやく。
「ベッドの中でねじ伏せてやりたいなァ。思いっきり凌辱して、心も体も俺の奴隷に育て上げてあげようか??」


