すると仁くんは小さく頷きながら
「美織の気持ちはよくわかるよ。」
優しい声でそう答える。
「俺も同じ立場だったらいい加減にしてくれって思うだろうね。響弥の愛は…少しエキセントリックだから。」
えぇ~~!?少し?!
少しどころかエキセントリックにも程があると思うけど??
そう心の中で悪態をつきながら、仁くんの次の言葉を待っていると
「でもアイツの精神年齢は5才くらいで止まってるからなぁ。好きな女の子はイジメずにはいられないんだろ。」
そう言って、仁くんはクスクスと笑う。
はぁ~~??
なんじゃそりゃ。
好きなのにイジメたいの??男の子って……意味がよくわからない。
怪訝な顔して首を捻ると
「ま、俺はこれ以上かわいい妹が傷ついてる姿は見たくないからね。響弥の言葉と行動の裏にはそういう気持ちがあるんだってこと、美織はよく知ってた方がいいと思うよ?」
仁くんは前を向いたまま私の頭をポンポンと叩く。
窓の外に流れ行く光。フロントガラスに打ち付ける、強い雨の粒。
まるであの頃と同じような激しい雨の中
「響弥はきっと……今でも好きなんだと思うよ?美織のことが。」
私は仁くんを通して初めてキョウちゃんの気持ちを垣間見たのだった――……


