そっか。
記憶が定かになった時にはキョウちゃんはすでにすごい選手に成長していたから気づかなかったけれど…小さい時には、そんな成長過程もあったんだなぁ。
天敵・藤堂響弥にもかわいい頃があったのだと、少しホンワカした気持ちで思いにふけっていると
――ん??ちょっとまって!!
キョウちゃんがスイミングに通いだしたきっかけが私ってことはよくわかったけれど、あの人格形成の原因が私ってどういうこと!?
私はそもそもの疑問に気づく。
今までの仁くんの話じゃさ?
今のキョウちゃんの栄光を作ったキッカケは私でしょ??
ありがたがってくれてもいいくらいなのに、なんであの最悪な性格の原因が私!?
なんだか納得いかない気持ちを抱えながら
「でも…なんであんな性格になった原因が私なの?全く意味がわからないんだけど。」
そう尋ねると
「いや…大ありでしょう。」
仁くんはハァとため息を吐きながら、ハンドルを握りしめる。
「え!?なんで!?」
仁くんにそう詰め寄ると
「オマエね。まだわかんない??“美織はパパみたいな人が好き”って響弥に言い切っただろう?」
「…うん。みたいだね。全く覚えてないけど。」
「だから…そこが諸悪の根本なんだよ。」
そう言って、仁くんはちらりと私の顔を見る。


