*キスの味*〜とろけるようなキミとの恋〜




30分くらい、他愛もない話をしてから、あたし達はファミレスを後にした。


「じゃあまた明日」

「うん、ばいばーい」


駅で分かれる。


……もう9時半かあ〜。


辺りをみると、電柱のライトが一個だけついていた。


気味が悪いよ〜っ!


あたしは足早に家に向かおうとした。

その時……


「……い」


後ろから声が聞こえる。

足音も!



怖い怖い怖いー!

お化け屋敷とか、ホラー映画が苦手なあたしにとって、ここは最悪の場所。


スタスタとあたしが歩くと、後ろの人も歩くペースを上げる。


……これってまさか、ストーカー?


一瞬そう考えたが、すぐに取り消した。


ありえない、ありえない!


「……い、……よ!」


イヤ、めちゃくちゃ怖い…


腰が抜けた。

あたしはその場に座り込んでしまった。