「……で?話って何?」
ファミレスに入るなり栞はすぐさま聞いてきた。
「あのね…」
唾をゴクッとのみ込んでから、あたしは口を開いた。
「好きな人が、できました。」
「えっ!」
そりゃあ驚くよね。
あたしは話を続ける。
「告白しまして…多分、フラれました。」
「えぇっっ!?」
驚くよね、うん。
栞、目がテンになってるよ……
「相手は…和田谷くん?」
「……うん」
栞が前にあたしに言ったこと、気づいたよ。
きっとあの時にはもう、あたしは和田谷が好きだった―――
「…でも、あたし諦めたくないんだ!」
初めてのこの気持ちを、大事にしたい!
あたしの初恋だよ?
「初恋は叶わないって言うけど、絶対叶えてみせる!」
すると栞は、いつものように優しく微笑んだ。
「うん。やっぱり、ありのままの奈津がいいよ。」
何のことを言ってるのかはよくわかんなかったけど、あたしは笑顔で頷いた。

