「うん。…触れてほしくないこととかがあるのかな…?」
「触れてほしくないこと…か」
橘くんは確か和田谷と同じ中学だったよね?
何か知ってるかな?
でも、聞けるような雰囲気じゃない。
………あれ?
「……あたし、もしかして」
「ん?」
気づいたらこんなに和田谷のこと考えてる。
あたし……
「あたし…和田谷が好きなのかも」
「…そっか!」
橘くんはニパっと笑って頷いた。
「あ…橘くんに話すようなことじゃないね。ごめんっ」
「いいよ。俺でよかったら、相談乗るから。じゃあね?奈津ちゃん」
“奈津ちゃん”
たったさっき知り合ったばっかりなのに、もう名前で呼ばれてる。
しかも、頭ぽんぽんされたし!
……ぽんぽんは、嫌いじゃないかも。