「アッコ……話してくれてありがとう。」


「……うち、こそ…っ」


“聞いてくれてありがとう”と言いたいんだろう。



「…アッコは、諦めるの?」


「……」


「…ねぇアッコ。あたしね、前に読んだ本にこんな言葉があったんだ。」


何も言わないアッコにあたしは話を続ける。


「“女の子は、誰だってかわいくなりたい。そう思うから、かわいくなれる”この意味わかる?」



ふるふると首を振られる。



「この言葉みたいに、誰だって人を好きになりたいから恋をする。…あたしだって、きっとこの先とんでもない大恋愛があるかもしれない。」


「奈津にはありえないよ」


「ありえるのっ!!…だから、諦めちゃダメ。諦めたらそこで」


「試合終了だよね?」



アッコはクスッと笑いながら次のセリフを言った。



「そうだよ。」


「…奈津が真剣にうちを慰めてくれて、元気出たっ!」


「本当?」


「うん!頑張ってみる」



アッコ…元気出たみたい。