アッコに話したいことがあったけど、アッコは遅刻ぎりぎりに来たから話できなかった。
気まずくて和田谷と話ができなかった。
「ねぇ塚ちゃーん」
飯塚、の塚を取って塚ちゃん。
こんな変なあだ名をつけたのは、後ろの席の律子。
「なぁに〜」
「何で今日はわだっちと話さないの?」
わだっち……みなさんお分かりだろう。
和田谷です。
「別にそんなことないよ。ね?」
「おー」
「ふーん…」
律子は、ギャル中のギャルで、授業中に携帯をいじったり、爪のネイルをしたり、まあ自由な人だ。
「ま、いっか!!見て見て塚ちゃん、今日の髪めっちゃ盛ったんだ♪」
金に近い茶髪がキレイに巻いてある。
「本当だ〜」
なんて、他愛もない話をしていた。
……でも、あの一言以来和田谷と話すことはなかった。

