「多分、奈津の言ってる感情はすぐに分かるよ」 「え?」 「…自分で気付くことに意味があるから、今は言わないでおく」 「うん…」 栞は、暫く見てないだけで大分きれいになった。 髪を耳にかける仕草が特に。 「栞〜〜〜!」 「あ、私もう行くね!それじゃっ」 体の大きな男の人が栞を呼んだ。 ……二年生か三年生かな? とにかく、和田谷とちゃんと話をしよう。 向き合わなきゃ、何も始まらないから。