「いましたか?」
「いない。そっちは?」
「だめだ…」
この日は大騒ぎだ。
璃優が居なくなってしまったから。
俺は、璃優の病室に残っている。
残されている。
帰ってくるかもしれないから、見張りと。
璃優を信じたかった。
そして、頭が回らないからだ。
正直、今は何も考えられない状態だった。
どうして突然…璃優は行方をくらませたのか。
わからなかった。
でも、今になって考えてみれば、
外出した日…。
海にいった日の夜からは絶対におかしかった。
それは確実だと思う。
璃優…?
なにがお前をそこまでにした?
璃優……?
どうしていつも一人で抱え込むんだ?
璃優………。